0009 自己実現を果たした人の例 リンカーン
人間は歳を重ねてゆくにつれ、幸福度が増してくる生き物です。 え? と思われるかも知れませんが、これは事実です。人類は長い歴史の中で、そのような性質の遺伝子を存在の源である宇宙から獲得して来たのですから。
さてあなたは、ご高齢で亡くなった人の風貌を、間近で拝見したことがありますか?
その方がたとえ親であろうと親族や知人の先輩であろうと、おそらく殆どの方が安らかな表情で永遠の眠りについたことに気がつかれたと思います。
それはその方が、その人なりの自己実現を成し遂げたという何よりの証なのです。
特に、より高度の自己実現を果たした人ほど、わたし達に自然で素晴らしい死に顔を見せてくれています。人生の荒波を越え、生きぬいて学ぶべきことを学んでのち、自己のあるべき姿に辿り着いたという安堵感が、そのような表情となって表れるのでしょう。
わたし達が古典の書物に親しんだり、古今東西の歴史をひもといてみると、そのような高度の自己実現を全うしたと思われる数多くの偉人や巨人、ひとかどの人物に出会うことができます。その中には、たまたまデスマスクを残した人物がおります。
デスマスクとは、当人が死んで後間もなく、遺族などが遺体から石膏や蝋を用いて型を取り、そこから作った顔面像のことです。かっては亡くなった故人の肖像画を書いて後世に残すために、資料として用いられ時代もありました。
たとえば、アメリカ史に名をのこした政治家のひとりである、エイブラハム・リンカーンのデスマスクを見てください。いかがでしょう。
高度の自己実現を果たした人の高潔な雰囲気を感じませんか?